第31回川崎 of ねっと99夢フォーラム

川崎 和男 氏

デザインディレクター・大阪大学大学院教授・博士(医学)

『資本主義から離脱のデザイン』

2009年10月10日(土)
東金市文化会館  開演:14:00

 昨秋の米大統領選で無名に近かったサラ・ペイリン共和党副大統領候補の人気が急上昇したのは、メガネによると言われています。フレームと四角い縁なしレンズをクリップでつなぐ独特のデザインは、世界的な工業デザイナー川崎和男氏と福井市の増永眼鏡とのコラボにより誕生しました。

 川崎氏は、大阪で過ごした浪人時代、イラストレーター横尾忠則氏の存在を知る母親からも「赤い血より赤い絵の具を見る生涯が似合っている」とアドバイスがあり、医者・作家の道を諦め、金沢美術工芸大学でデザインを学びました。

 東芝入社後は、音響機器のデザインで早くから脚光を浴びたものの、28歳のとき交通事故で車椅子生活を余儀なくされ、失意のなか帰郷となりました。そんなとき出会ったのが、「越前打刃物」です。750年の歴史を持つ伝統工芸と最先端の工業デザインの融合に挑み、みごと世界が注目する商品を開発されました。

 もう一つの地場産業であるメガネのデザインの仕事は大学時代の恩師から紹介されました。医療器具としての高い機能性と、ファッションとしての洗練されたデザイン性の双方を追求したわけです。

 45歳のとき、心臓発作で生死の境をさまよったのを機に、医学書を読み込み、人工心臓のデザイン研究を始め、医学博士号を取得されました。2006年4月には、大阪大学大学院教授に就任し、デザインの使命を「未来を先取りし、人の命を救うことだ」と強調されています。

 本年5月18日には、テレビ東京「カンブリア宮殿」で川崎氏の活躍ぶりが詳しく紹介されました。

みなさまのご来場をお待ちしています。


【川崎和男(かわさき・かずお)氏の略歴】
1949年福井市生まれ。左右利き。
デザインディレクターとして伝統工芸品からメガネやコンピュータ・ロボット・原子力エネルギー・人工臓器・先端医療・宇宙空間の装置化まで幅広く、研究・教育・実務活動を行う。グッドデザイン賞審査委員長など行政機関での委員を歴任。
ニューヨーク近代美術館など海外の主要美術館に永久収蔵、永久展示多数。『Newsweek日本版』の「世界が尊敬する日本人100人」に選ばれる。現在、デザインによる世界平和構築をめざして「Peace-Keeping Design(PKD)」プロジェクトを提唱。
大阪大学コミニュケーションデザイン・センター教授、大阪大学医学部附属病院・未来医療センター教授(兼任)、大阪大学大学院工学研究科・フロンティア研究センター教授(兼任)、名古屋市立大学名誉教授、多摩美術大学客員教授、金沢工業大学客員教授、日本産業デザイン振興会グッドデザイン賞審議委員会委員を務める。



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ご意見 【講師・参加者】
講師のコメント
「房総の可能性」 川崎和男
国立系で意匠にすぐれた大学というと、千葉大学があります。その縁でこれまで千葉大学には何度か足を運んだことがありましたが、その先へくるのは初めてでした。
東金市・志賀、山武市・椎名の各市長、市民のみなさんとお話しさせていただきましたが、こんなに役所と市民が協調して町づくりを行っているところは珍しいですね。
今日は「脱資本主義のデザイン」ということで少しむずかしいテーマに挑戦してみました。それでも役所や市民のみなさんが真剣に聞いて下さいました。
今後ともデザインの可能性について語っていきたいと思います。(談)
参加者の声
世界の川崎和男
東京都在住 会社員 小竹敏也
日常のなかで川崎先生のデザインされた製品のなんと多いことか。
先生が手がけられた製品は、オーディオ、家具、調理器具、照明器具、時計、文房具、めがね、人工心臓、車椅子等、注射器、いわゆる生活の身の回りのありとあらゆるものと言っても過言ではないかもしれないものをこの世に生み出してきています。私が以前使用していたパソコンモニターも先生のデザインされたプロダクトでした。美しいと思って購入した時計もあとから川崎作品だと知りました。川崎先生の製品は、他の製品とはどこか違う何かとても強い主張を発している。利用者に対して、何かメッセージを持った製品群。
講演ではのっけから普通の講演とは様相が異なり、美しい映像(2画面)と音楽によるプレゼンテーションで会場全体が一瞬にして川崎ワールドに塗り替えられました。
世界中に送り出された製品が目まぐるしく映像で紹介され、改めて世界の川崎和男なんだと感じさせられるプレゼンテーション。50歳前後にしか見えない先生のことを、司会者は60歳になると紹介されました。その若さはどこから・・・。
講演では、たくさんのメッセージを残していただきました。その中で特に印象に残ったことは、先生のデザインは、ベースに「いのち」「きもち」「かたち」という人間の原始的で根元的なところから着想が始まるということ。デザインの対象が、一個一個の製品というよりも、地球をデザインの対象としている。このスケール感というのは、一個人のデザイナーというより、救世主のような存在。デザインすることで、世の中の流れを快方に向けていくシステムを創造しているようだと感じました。そのことが川崎和男先生が世界の川崎和男たる由縁なのだと思いました。
このような機会を設けて下さったねっと99夢フォーラム関係者の方々に熱く御礼申し上げます。
参加者のアンケートより